お知らせ

中国の医薬品改革は日本の後発メーカーにチャンスをもたらすか

2019.12.11

11月29日に、中国国務院は、医薬品の改革をさらに推進する政策を発表した(国医改発〔2019〕3号)※1。現在、進んでいる品質再評価や量的購買などの今後の方針をさらに明確にした。

① 医薬品の量的購買と使用の改革をさらに推進する。

② 量的購買モデルを最適化し、対象とする医薬品の種類の範囲を拡大する。

③ 国主導の量的購買だけではなく、省が主導する量的購買も実施する。

④ ジェネリック医薬品の品質と有効性の再評価を積極的に推進し、医薬品の品質を更に向上させる。

⑤ 医薬品情報トレーサビリティシステムの構築をスピードアップする。

⑥ 医薬品の安定供給を確保する。

⑦ 医薬品流通や支払いシステムを改善する。

医薬品改革政策から分かるように中国においても、医薬品の品質、有効性を積極的に推進しており、品質向上のために品質再評価が実施され、今後もさらに拡大されることが容易に予想されるだろう。この政策は、かつて日本で行われていたジェネリック医薬品の品質再評価と同じ背景にあり、また同じ効果をもたらすものと思われる。つまり、国民医療費の増大に伴い、低価格かつ高品質な後発医薬品の活用が必要になり、そのときに品質再評価によって品質の確保できた、安価なジェネリック医薬品をセレクトすることである。すなわち、品質再評価に適合できないジェネリック医薬品は、承認が取り消され、大量に淘汰されてくるものと思われる。このことは、品質再評価に対応できない小規模な製薬メーカーや品質意識が低い製薬メーカーが淘汰されてくることだろう。

このことは、2017年の国務院の医薬品生産流通使用の改革方針でも既にその方向性を明らかにしていた。「下位企業の撤退を促進し、多数、小規模、品質意識が低い製薬メーカーの問題の解決に焦点を当てる。 医薬品メーカーの合併と再編を支持し、多数の国際競争力のある企業を育成し、製薬業界の集中化を高める」と(国弁発〔2017〕13号)※2

日本のジェネリック医薬品の品質再評価前後で見ると、1975年の1359社あった製薬メーカーは、2015年の305社になっている。一概に品質再評価のみではないものの8割近くの医薬品会社がなくなっていることがわかる。中国でも同じことが起こると予想でき、品質再評価に適合しない医薬品の多くは、承認が取り消され、市場から淘汰されるだろう。その後、品質再評価に適合したジェネリック医薬品は、量的購買によって先発医薬品と同じ入札制度での競争となり、入札できれば、中国の医療現場において広く使用されることが約束される。

こういった政策の中で、既に品質再評価を終えた日本の医薬品は、先発メーカー、後発メーカー問わず、中国でのビジネスチャンスは生まれると考えられる。

 

※1出所:国家薬品監督管理局のウェブサイト、2019/12/2

※2出所:中央人民政府ウェブサイト、2017/2/9