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中国のGVPについて:(4)文書・記録・データの保存、治験中のPV管理

中国薬事

2021.09.06

 

「ファーマコビジランスの管理基準」(GVP、以下GVPと略す)の第7章では、管理システム文書、そしてファーマコビジランス(PV、以下PVと略す))活動においてさまざまな記録およびデータの管理を標準化している。

 

PVシステムマスタードキュメント

まず制度と手順書について、MAHは、PVシステムと手順を策定するものとし、PV活動を伴う文書は、PV部門のレビューが必要である (第100条)。またMAHは、PVシステムおよび活動を説明するために、PVシステムマスタードキュメントを作成、維持するものとする(第104条)。PVシステムマスタードキュメントは組織機構、責任者、専門担当者など10項目が含まれている(第106条)。

 

文書、記録やデータの保存管理

記録とデータの保存について、MAHは、PV活動の内容と結果の記録を手順化し、PV活動によって生成された記録とデータを適切に管理するものとする。PV活動のトレーサビリティを確保するために、記録とデータは真実、正確、完全でなければならない。 主要なPV活動に関連する記録とデータは確認・レビューされる必要がある。(第107条)

保存期間については、PV活動の記録とデータは医薬品登録証明書の取消後少なくとも10年間保管し、保存期間中に記録とデータが損傷または紛失しないように効果的な措置を講じる必要がある(第113条)。

PV活動が委託される際、委託することにより作成された文書、記録およびデータは、本規定の要件を満たさなければならない (第114条)。

MAが譲渡される場合、MAHは譲渡過程で記録とデータが失われないように、PV関連するすべての記録とデータを同時に譲渡するものとする(第115条)。

 

第8章では、臨床試験中のPV基本要件、リスクモニタリングと識別、リスクアセスメントなどを規定した。

 

臨床試験中のPV基本要件

医薬品登録に関連する医薬品の治験中、治験依頼者は治験実施医療機関およびその他の関係者と積極的に協力して、安全リスク管理の責任を厳格に履行するものとする。治験依頼者は、PVシステムを確立し、安全情報を包括的に収集し、リスクの監視、特定、評価および管理を実施し、既存の安全問題をタイムリーに発見し、必要なリスク管理措置を積極的に講じる必要がある。そして、リスク管理措置の有効性を評価し、リスクを最小限に抑えることに努め、被験者の安全を効果的に高めるものとする。PVシステムと品質管理は、前述の市販後の要件を参照でき、臨床試験中のPV要件に従って適切に調整する。(第116条)

治験期間中のPV活動は、「医薬品の臨床試験の管理基準」(GCP)の要件およびその他の要件と組み合わせて遵守する必要がある。(第121条)

治験中の安全性情報報告、リスク評価、リスク管理および関連する処理は、被験者保護の原則を厳守しなければならない。 治験依頼者および治験責任医師は、被験者の安全と利益を確保することを前提として、関連事項を適切に手配する必要がある(第120条)

 

治験期間中の報告

治験期間中、治験依頼者は、疑わしい予期せぬ重篤な副作用の報告を、所定の制限時間内にCDEに適時に提出するものとする(第123条)。

致命的または生命にかかわる疑わしい予期せぬ重篤な副作用については、治験依頼者は、7日以内にできるだけ早く報告し、その後最初のレポートを提出した8日以内にできるだけ多くの情報を含む完全なフォローアップレポートを提出しなければならない。死亡または生命を脅かす以外の疑わしい予期しない重大な副作用については、治験依頼者は15日以内にできるだけ早く報告するものとする。 レポートを提出した後も、引き続き深刻な副作用を追跡し、フォローアップレポートの形式で関連する新しい情報または以前のレポートへの変更をタイムリーに提出する必要がある。レポートの期限は、新しい情報を入手した15日以内とする。(第124条)

 

治験安全性更新報告(DSUR)

治験期間中、治験依頼者は、報告期間中に収集された医薬品関連の安全性情報の包括的かつ詳細な年次レビュー、要約および評価を実施し、治験安全性更新報告書(DSUR)を提出するものとする。DSURとその添付ファイルは、「研究開発中の安全性更新報告書の管理規則(試行)」に従って作成する(第129条)。

原則として、国内または世界での治験が最初に承認された日付(すなわち、開発国際誕生日(DIBI))を、DSURの報告開始日とする。DSURの報告期限は、国内臨床試験が承認された後、最初のDIBIから2か月以内とする。

国内又は世界で上市承認された場合、治験依頼者は、必要に応じて、最初の承認日に基づいて、安全性更新レポートを作成して提出できる。 調整後の最初の報告期間は1年を超えてはならない(第129条)。

 

まとめ

中国のGVPの公布、そして年内に向けての実施は、各MAH及び治験依頼者は、定めた移行期間中に、最新のPV規制および基準に準拠し、合理的なGVP管理システムをできるだけ早く確立し、PVの活動を常態化することが必須である。PVシステムを構築する際には、特に以下の時間軸や期間を考慮し、組織構築、社内への周知、社内外の作業等が必要になるだろう。

 

時間/期間 内 容
2021年12月1日 「医薬品のファーマコビジランスの管理基準」が施行。
2021年5月13日より60日以内 MAHは国家の副作用管理システムへの情報登録を完了する。
1年、5年 革新的医薬品および改良型新薬は、承認の取得日から最初の再登録まで1年ごと、その後は5年ごとにPSURを提出する。
5年 他のカテゴリーの医薬品は、通常承認を取得した日から5年ごとに報告する。
10年 PV活動の記録とデータは医薬品登録証明書の取消後少なくとも10年間保管
30日 MAHは、最初の医薬品承認を取得してから30日以内に、国家副作用モニタリングシステムへの情報登録を完了し、登録ユーザー情報および製品情報が変更された場合、その変更日から30日以内に更新を完了する。
30日 任命されたPV責任者は、国家副作用モニタリングシステムに登録する。PV責任者の関連情報が変更された場合、変更日から30日以内に更新を完了する。
15日、30日 重大な副作用については、情報を受け取ってから15日以内、重大でない副作用の情報を受け取ってから30日以内にできるだけ早く報告する。
24時間 国内の他に海外でも販売されている医薬品について、海外の医薬品規制当局が副作用により販売や使用の停止または市場からの回収/撤退を要求する場合、MAHは関連情報を受け取ってから24時間以内に中国の医薬品規制当局および副作用モニタリング機関に報告する。
7日、8日、15日 致命的または生命にかかわる疑わしい予期せぬ重篤な副作用については、治験依頼者は、7日以内にできるだけ早く報告し、その後最初のレポートを提出した8日以内にできるだけ多くの情報を含む完全なフォローアップレポートを提出しなければならない。死亡または生命を脅かす以外の疑わしい予期しない重大な副作用については、治験依頼者は15日以内にできるだけ早く報告するものとする。

 

 

参考:

1.「医薬品のファーマコビジランスの管理基準」の起草説明(NMPA第65号、2021年5月13日)

2.「医薬品のファーマコビジランスの管理基準」(NMPA第65号、2021年5月13日)

3.「研究開発中の安全性更新報告書の管理規則(試行)」の発出に関するCDEの通知(第7号、2020年7月1日)

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