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中国医薬品知財情報(1):医薬品のパテントリンケージ制度の導入開始

中国薬事

2021.08.20

2020年から中国で医薬品に関する知財制度が徐々に改善されつつある。

2020.7.3:『中国特許法』の第4次改正案が公表、意見募集された。新薬の特許期間の延長、パテントリンケージ(Patent linkage)などについて規定した。

2020.10.17:新『中国特許法』が全人代で可決された。改正法の第76条はパテントリンケージ制度について規定した。

2021.6.1:新『中国特許法』が施行された。

2021.7.4:国家医薬品監督管理局と国家知識産権局(特許庁に相当)は共同で「医薬品特許紛争の早期解決メカニズムの実施規則(試行)」(以下「実施規則」という)を公布。

2021.7.4:中国上市医薬品特許情報登録プラットフォームが運営開始。

2021.7.5:国家知識産権局は、「医薬品特許紛争の早期解決メカニズムの行政裁定規定」(以下「裁定規定」という)を発行。

2021.7.5:最高人民法院(最高裁に相当)は、「登録申請医薬品に関連する特許権紛争の民事訴訟裁判における法律適用の若干問題に関する規定」(以下「司​​法解釈」という)を公布。

上記から分かるように、中国で医薬品特許パテントリンケージ制度が各規定の公布や医薬品特許情報登録プラットフォームの運営により、スタートした。

 

新『特許法』では、特許権者が、薬事当局(NMPA)に申請される医薬品(後発医薬品)が特許侵害になると確認し、特許権について当事者間で解決できない紛争が生じた場合、訴訟(人民法院)を起こすか、行政裁決(行政部門)を請求することができる。医薬品の販売申請から承認までの特許紛争の事前解決については薬事当局と特許行政部門が連携して具体的な規定や手続きを決める(第76条)。

したがって、薬事当局(NMPA)と特許行政部門(国家知識産権局、以下「CNIPA」という)が連名で「実施規則」を発出した。

「実施規則」は主に、医薬品特許情報登録プラットフォームの構築及び情報開示、特許権届出制度、ジェネリック医薬品の特許声明、パテントリンケージ制度、承認待機期間、医薬品審査・承認の分類措置、ジェネリック医薬品の市場独占期間など規定した。

次に、その実施規則のポイントを示す。

 

特許情報の登録

医薬品承認保有者(MAH)は、医薬品登録承認後30日以内に、医薬品特許情報プラットフォームに以下の情報を届出する。

医薬品の名称、剤型、承認取得者名、関連特許番号、特許名称、特許権者、ライセンシー、特許成立日及び満了日、成立状態、特許の種類、医薬品と関連する特許クレームとの関係、連絡先及び住所、連絡方法など。

関連情報が変更された場合、MAHは、変更から30日以内に更新を完了する必要がある。MAHは、届け出情報の信憑性、正確性や完全性に責任を負い、受け取った関連異議を適時に検証および処理し、記録するものとする (実施規則、第4条)。

医薬品特許情報登録プラットフォーム(ウェブサイト:https://zldj.cde.org.cn/home)は7月4日から運用が開始され、2021年8月11日まで490件の化学薬品の特許情報の公開が確認できた。

 

特許声明

ジェネリック医薬品の申請者は、医薬品登録承認の申請を行う場合、医薬品特許情報登録プラットフォームに公開されている特許情報に従って、申請するジェネリック医薬品の関連する特許について陳述しなければならない。声明は4つに分類される。

第1類:関連する先発薬の特許は存在しない。

第2類:関連する先発薬の特許はすでに存続期間が満了、または特許無効宣言されている。或いは、ジェネリック医薬品の申請者が、特許権者の関連する特許実施ライセンスを取得している。

第3類:関連する先発薬の特許は存在するが、ジェネリック薬が承認されたとしても当該特許が満了するまではジェネリック薬を上市しないことをジェネリック企業が承諾する。

第4類:関連する先発薬の特許は存在するが、当該関連特許は特許無効が宣言されるべき、又はジェネリック薬は当該特許クレームの範囲には含まれていない。(実施規則、第6条)

 

ジェネリック医薬品の申請者は、この特許声明の信憑性と正確性に責任がある。 ジェネリック医薬品の申請が受理されてから10営業日以内に、CDEは、情報プラットフォーム上で申請情報と対応する声明を公開する。また、ジェネリック医薬品の申請者は、対応する声明とその根拠をMAH(先発)に通知しなければならない(実施規則、第6条)。

関連する特許権のクレームの範囲に含まれない場合には、提示される根拠として、ジェネリック医薬品の技術設計と先発薬の関連する特許の技術情報との比較表を提示するものとする。ジェネリック医薬品の申請者は、紙の情報に加えて、声明とその根拠を、MAH(先発)が届出した電子メールアドレスに送信し、関連する記録を保持する必要がある(実施規則、第6条)。これにより、先発メーカーが知る権利が保護されている。

 

次回、異議申し立て、待機期間、特許チャレンジ、市場独占期間などについて紹介する。

 

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