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【シリーズ連載】新しい中国医薬品登録制度:(3)臨床試験について

2020.04.28

医薬品臨床試験は許可制から“みなし実施許可”へ、BE試験は届出制に

中国における医薬品の臨床試験は、国家薬品監督管理局(NMPA)が2018年7月に「医薬品の臨床試験評価の承認プロセスの調整に関する通知」(2018年第50号)を発出し、臨床試験の“みなし実施許可”を認めている。これは、中国で医薬品の臨床試験を実施する場合、実施の許可を求める必要があるが、受理/費用の支払日から60日以内に、医薬品評価センター(CDE)から否定的または疑義的な意見を受けていなかった際には、申請者は提出したプロトコールに従い臨床試験を行うことができるというものである。

そして、今回改訂された『中国医薬品登録管理規則』(以下、規則と略す)では、その“みなし実施許可”を以下のように規定している。「医薬品の臨床試験の許可は、申請の受理日から60日以内に決定する。申請者へは医薬品評価センターのウェブサイトを通じて審査結果が通知される。期限内に通知がなかった場合は同意されたものとみなし、提出したプロトコールに従い、臨床試験を行うことが出来る」。

また、生物学的同等性試験(BE試験)では、届出制を実施すると規定している。

そして、医薬品の臨床試験(Phase I〜Ⅳ)、生物学的同等性試験は、すべて関連する規制に準拠した臨床試験実施機関で実施し、「臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守する必要があると規定している。

 

事前相談、専門家会議が可能に

また、規則では、臨床試験におけるテクニカルな問題に対する支援措置も示されている。申請者は、医薬品の臨床試験の申請前や臨床試験の実施中など、主要な時期に、テクニカルな問題に関して、薬物評価センター(CDE)などに相談することができ、さらに、専門家会議の実施を要請することもできるようになった。特に画期的な新薬など特例制度を利用する場合には、このような政策支援が設けられた。

 

事前にプラットフォームに情報を登録すること。

中国におけるすべての臨床試験は関連ガイドラインに従って、情報プラットフォームに登録し、情報公開しなければならないと定められている。「治験依頼者は、医薬品の臨床試験を開始する前に、臨床試験実施計画書(いわゆるプロトコール)などの情報を医薬品の臨床試験に登録し、情報公開のプラットフォームに概要を記載する必要がある。 また、臨床試験の実施中、治験依頼者は継続的に登録情報を更新し、治験終了後に治験結果を登録する必要がある。登録された情報は公開される。治験依頼者は医薬品の臨床試験に関する登録情報の信頼性に責任を持たなければならない」と定められている。

 

海外の臨床データの受け入れについて

2018年7月、国家薬品監督管理局(NMPA)は、「海外臨床試験データの受け入れに関する技術ガイドライン」を発行した。その内容は、① 国内外における同時開発を奨励し、海外で実施された早期の臨床研究データを、中国において実施する次段階の臨床試験のサポートデータとして使用できる、② 海外で実施された臨床試験データを中国における医薬品登録のサポートにできる、③ 海外で実施されたジェネリック医薬品の生物学同等性試験データも中国における登録に利用できる、などである。しかしながら、海外の臨床試験データは、臨床データの質、適応の有効性と安全性、および人種差/民族差も評価される。

今回の改訂規則では、引き続きその方針に沿っており、医薬品の承認登録に、海外の研究資料とデータが使用される場合、「その出典、研究機関または実験室の条件、品質システム要件およびその他の管理条件は、ICHの一般原則に準拠され、遵守する必要がある。 さらに中国の医薬品登録管理の関連要件にも適合しなければならない」と関連する条件が示されている。

 

臨床試験の免除について

臨床試験の免除については、規則で詳しく規定されていないが、「ジェネリック医薬品、医薬品の管理に基づく体外診断試薬など、臨床試験を実施する必要がない、あるいは実施不可能と評価された場合、臨床試験の免除対象の条件に適合する場合、申請者は直接に販売承認申請することができる」と方針を示している。臨床試験の免除ガイドラインは別途、制定、公布されるという。

 

その他の変更点

そのほか、改訂規則において、臨床試験に関する規定は以下のように変更があった。

・臨床試験の「Phase I、II、III、Ⅳおよび生物学的同等性試験」の定義と目的が削除され、「ワクチンの臨床試験」の条件が追加された。

・一部の臨床試験の詳細規定が削除されたが、臨床試験の評価要件を増やし、「治験依頼者」の概念が追加された。

・「治験依頼者が、必要に応じて研究開発期間中に安全性更新報告書を提出しない」ことを治験の中止、停止の対象に追加した。

・医薬品の臨床試験の無効性の判定が追加され、海外の申請者が医薬品の臨床試験を申請するための関連要件は削除された。