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【シリーズ連載】新しい中国医薬品登録制度:(1)MAH制度について

2020.04.13

今回、中国で公布された『医薬品登録管理規則』において、従来、採用されていた製造企業にしか与えなかった医薬品の製造承認が、医薬品販売承認取得者(Marketing Authorization Holder,以下MAHという)に変更となった。これは、製造会社のみならず、研究開発(R&D)機関でも、販売承認を取得することによって、自らの名義で開発した医薬品を市販することが可能となった。これにより、医薬品のライフサイクルにおける主な責任者を確定できるとともに、市場に活力をもたらし、イノベーションを促進し、リソースの割り当てを最適化できるものである。日本における2005年に改正施行された薬事法(製造販売承認制度、製造販売業と製造業の規制等)と同様の制度である。

2019年8月に改訂された『中華人民共和国薬品管理法』(以下管理法と略す)においては、MAH制度は以下のように規定している。「第6条 医薬品管理において、医薬品販売承認取得者制度を実施する。医薬品販売承認取得者は法律に基づき、医薬品の研究開発、製造、販売、使用のすべてのライフサイクルにおいて医薬品の安全性、有効性及び品質管理に関して責任を有すること」。

管理法では、具体的な記載は少なかったが、今回、改訂された『医薬品登録管理規則』において、より具体的にMAH制度の内容が規制されている。まず、第9条において、医薬品販売承認申請者として、責任を負うことができる企業または研究開発機関とが明確にされ、販売承認取得者に要求する内容が記載されている。つまり、医薬品の品質保証システムの確立、医薬品の全てのライフサイクルの管理、市販後の研究(調査や臨床試験)および販売している医薬品の安全性、有効性および品質に対して責任を担うことである。

そして、医薬品の研究開発段階においては、GLP・GCPの遵守を義務つけられ、製造においては、GMPを確立し、各製造プロセスが法的要件を満たすことを確保するよう求めている。さらに、流通販売においては、医薬品のトレーサビリティを確保するため、当該システムを確立することが求められ、販売後の管理において、医薬品のライフサイクルの情報管理を強化するための年次報告システムを確立することを要求している。

その他、海外企業においては、必ずしも現地に法人を設立する必要はないものの、申請者は、必ず中国国内の企業法人を指定して関連薬事手続きを行うことを要求している(日本でいう管理人制度に近い)。また、医薬品販売承認書の保有者は、一部内容を変更することは可能で、メジャーな変更の場合には審査の対象となる(日本の一部承認事項変更承認申請に相当)。そして、医薬品販売承認書の保有者は、医薬品の品質、有効性、安全性の継続的な調査等の責任を全うすることができない場合には、5年ごとに必要な、承認書の有効期間の延長を許可しないと定められている。